お元気ですか?うめきちです(^o^)/
現在メロディで連載中の樹なつみ先生の新連載「八雲立つ 灼(あらた)」中々面白いですね~!
本編の「八雲立つ」は、1992年から10年間に渡って白泉社の月刊少女漫画雑誌『LaLa』で連載した傑作です。
コミックス、文庫、アニメにもなり、そして今回の新連載にあたり、愛蔵版も出版されています。
「八雲立つ 灼」の前に前作「八雲立つ」をもう一度読んでおくともっと良くわかること請け合いです!
そこで今回は「八雲立つ」文庫版5巻を紹介したいと思います。
「八雲立つ」文庫版5巻
- あらすじと感想
- 古代編<神問ひ・前編>
- 古代編<神問ひ・後編>
- 二岐大蛇(1)~(3)
- 入らずの深緑(1)~(3)
- 天邪鬼来たりて(1)~(2)
- まとめ
(※なお、ネタバレを含みますので、結末を知りたくない方はご注意くださいね!)
「八雲立つ」文庫版5巻
あらすじと感想
古代編<神問ひ・前編>
須佐郷の向かっているはずの神門(かむど)の首長・加茂呂(かもろ)は、神域で野宿をしてまで須佐の神に「おれが来た」と挨拶しようと考えていました。
そんな加茂呂の前に現れたのは恐ろしいほどの美貌の妖でしたが、「妻になれ!」という加茂呂に「私に勝ったら妻になさりませ」そう言うが早いか、いきなり戦いになってしまうのでした。
中々決着がつかない互角の戦いぶりの中で、一瞬の切り合いの後に妖は消えてしまいました。
妖(真名志:マナシ)が川で切られた傷を洗い、ミカチヒコの小屋に入って行く所を物陰からじっと見ていたのは、加茂呂の従者のスクナでした。
ミカチヒコに傷の手当てをしてもらっていたマナシは、人の気配を感じて外へ飛び出すとスクナを捕え、加茂呂の従者で元は生口(せいこう:奴隷)であったことまで見抜き、汚らわしいと言って放りだしてしまうのでした。
☆つい1年前までは死んで一族の役に立てとまで言われて蔑まれていとことと比べて、今は稀代の巫女様としてあがめられている・・・
人の心の変わり見の早さっていつの世も同じだけれど悲しい・・・(ノД`)・゜・。
繊細すぎるマナシには受け入れがたいことだったようですね。
古代編<神問ひ・後編>
加茂呂が須佐へ来た目的は、西出雲に散らばる豪族の首長たちに自分をスサノウ王と認めさせ、この西出雲をひとつにまとめて東出雲と対等の立場にしようというものでした。
須佐の首長は神の託宣があれば納得すると言うので、巫女による神問いをすることになりました。
その巫女はあの時の妖魔(マナシ)だったので加茂呂は驚きました。
マナシは手に神剣を持つとその身に神を寄り憑かせ、加茂呂に炎と悲鳴と血に染まった彼の未来を見せました。
「王となられませ」
ついに加茂呂は西出雲の王スサノウとなったのでした。
一方、ミカチヒコはスクナに、自分は東出雲の意宇郷(おうのさと)の次の王になる己貴(ナムチ)の腹違いの弟であることを明かして西と東をつなぐかけ橋になれと言ってナムチからもらった剣を渡しました。
「これを見せればナムチは会ってくれる」
スクナはその剣を持って東出雲を目指して出発したのでした。
二岐大蛇(ふたまたのおろち)(1)~(3)
「男の子とつきあいたい」
夕香は友達の未紅(みく)が唐突にそんなことを言いだしたのでビックリしました。
しかも紹介してほしい男の条件を聞いてさらに驚きです。
とんでもないダメ男でプータローをリクエストしてきました。
きっと何か理由があると思った夕香は取りあえず、蒿にその「プータロー男」のフリをしてもらって未紅の事情を探ろうとしました。
仕方なくプータローの役を演じた嵩は未紅の家に行くことになりました。
今夜は親がいないから酒でも買って泊まってくれと言われて蒿は困りましたが、夕香に頼まれた以上ムシするわけにもいかずについて行ったのですが・・・。
蒿がプータローじゃないことはすぐにバレてしまうのでした。
☆夕香にぞっこんの嵩・・・むくわれませんねぇ。
一方、夕香は友達たちから集めた情報で、未紅の両親が宗教にハマってしまったことを突きとめていました。
蒿の方は未紅から両親が宗教にハマってしまったことを聞いてこのまま放ってもおけず、問題の熊野の神社へ親を連れ戻しについて行ってやると約束をしたのでした。
熊野 紀斐神社
闇己は夕香から、美紅の両親が熊野の紀斐神社(きひじんじゃ)に行ったままになっているから(神道系と言う理由で)ちょっと修に聞いて欲しいと頼まれました。
すると修は紀斐神社は以前宮司をしていた紀埜家(きのけ)の血筋が絶えてしまったので今は忌部家(いんべけ)に変わってしまい、本来の神道とは少し外れた事をやりだして気になっていたと言うのです。
修が忌部家に連絡を入れてくれることになり、ホッとして帰ろうとした闇己たちを外で待ち伏せしていたのは楠でした。
忌部怜司(いんべりょうじ)
楠から紹介された紀斐神社の息子・忌部怜司は、神剣2本(山祗(ヤマツミ))と建御雷(タケミカヅチ)を持っているが、闇己が紀斐神社まで取りに来てくれるなら返すと言うのです。
しかし忌部のやり方が気にくわない闇己は、終始 敵意をむき出しにした態度でいました。
立ち去る闇己の後ろ姿を見ながら嬉しそうに「ぼくの物にしたいなあ、アレ!」と言う怜司に、『どうしてこう、おかしな子供ばかりなのかねぇ』と思う楠でした。
忌部剡弐(いんべせんじ)
嵩と外で食事をした未紅は、帰り道で通りかかった近所のマンションの前に紀斐神社で対応した男がいると指さしました。
嵩が急いでその男に声をかけると、いきなり乱闘騒ぎになってしまったのです!
驚いた未紅が止めに入り、「紀斐神社で会った人はこんなじゃなかった!人違いよ!!」
丁度そこを通りかかった七地と闇己、夕香、向こうからは怜司歩いて来ます。
結局その男は、忌部怜司の一つ違いの弟・剡弐(せんじ)だったことがわかりました。
☆冷静な怜司と単純で乱暴な剡弐・・・年子でそっくりの顔をしているのに、性格は全く違うようですね。
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入らずの深緑(1)~(3)
闇己と七地は父・布椎海潮を失った神和祭の後、初めて里帰りするために維鈇谷村に向かっていました。
布椎家に着いた闇己を出迎えたのは羽織袴に正装した布椎一統や村の実力者で、玄関にずらっと並んでの出迎えに七地は驚いてしまいました。
奥座敷に通された七地が、ミカカチヒコの血統に連なるものだと聞いた一同の驚きとざわめき、そして時代劇かもかくやという挨拶と口上にあっけにとられるばかりでした。
闇己のそばに嬉しそうにすわる寧子・・・
七地はこんなにも絵になる二人なのに悲しすぎると思うのでした。
寧子の恋
その夜、みんなが引き上げた後の離れで、闇己が一人で父・海潮に挨拶をしているのをみた七地は今夜は二人でお父さんの通夜祭をしようと杯を掲げたのです。
そんな七地の優しさに癒された闇己が笑っているのを見た寧子は、やっと封じ込めようとした恋心が切なく疼くのを感じていました。
そこへ間が悪く現れたのは(辛い恋を忘れるために)寧子が付き合っていた高校教師の笹間先生でした。
いくら電話しても通じないし、思いあまってここまで来てしまったいう笹間でしたが、闇己に見つかり日本刀まで持ち出して追い払われてしまいました。
しかし闇己が笹間を追い払った時に寧子が嬉しくて微笑んだのを、七地に見られてしまったことから寧子の歪んだ恋心はどうしようもない方向へと走り出し、翌朝、行方不明になってしまうのです。
入らず山
寧子が『入らず山』に向かったことを知った闇己は、その山が布椎のものにとってはひどく危険な場所であることを七地に打ち明け、神剣・水蛇(ミズチ)を持って寧子の後を追うことにしました。
『入らず山』は念さえも吸い取ってしまう異常な場所でしたが、寧子の絶望に感応してさらにパワーアップして闇己はその触手に捕まってしまったのです。
やっとのことで追いついた七地は地面に神剣が落ちているのを見て、そこに渦巻く異常な場を感じながらまさかという思いでその中へ手を突っ込んで、闇己の腕を摑んで引っ張りだしました!
「なんて無茶をするんだ!」
闇己は怒りますが、どうやら七地は”それ”に嫌われているみたいで何ともありません。
さらに先へと進むとふたりはついに大きな次元の亀裂を見つけました!
これをこのまま放っておくと維鈇谷の念に引きつけられてとんでもないモノになってしまうので、この場で昇華しなければならないと闇己は言いますが、昇華に必要な気がここでは呼ぶことができそうもありません。
「闇己くん、あったよ!あそこにすごい気の量がある!」
七地がそう言って指さしたのは次元の亀裂の穴の中でした。
七地の失恋
一瞬躊躇した闇己ですが、七地の持っていた神剣に手を伸ばし、鞘から抜き取ったミズチはまるでたった今、打ちあがったかのような圧倒的な霊力に満ち溢れていました。
闇己が時限の亀裂を昇華すると、そこには寧子倒れていました。
闇己が抱きしめ気を分けてあげていたその時寧子は、この瞬間に自分の心を決めてしまったのでした。
寧子の心など気づかない闇己は、そのまま祭りの巫女を務めて七地と共に東京へ帰っていきました。
寧子の決心を知る七地は辛い恋の終わりを感じるのでした。
天邪鬼来たりて(1)~(2)
邑見眞前は熊野の紀斐神社の離れに住みついて、闇己がやって来るのを今か今かと楽しみに待っていました。
☆悪の親玉登場!ですね~
その頃、東京の闇己の前には高條筑陽(たかじょうつきや)というまだ14歳の少年に付きまとわれて困っていました。
剣道で闇己の試合を見て憧れてしまったからどうしても指導してほしくて布椎神道流に入門したのだと言っています。
いいかげん辟易していたところに七地が現れたので、丁度いいとばかりに七地を引っ張って帰ってしまうのですが、その時筑陽は憧れていたはずの闇己の後ろ姿に向かって呟いたのです。
「フン かっこつけヤロー 死ね」
ところで七地の家では父親が勤続30年のリフレッシュ休暇で、10日間のハワイ旅行に夕香は一緒に行くけれど七地は残ることにしました。
それを知った闇己に誘われて、その間の夕食は闇己の所へ行くことになりました。
その日も筑陽は闇己狙いで布椎家の道場に来ていました。
稽古が無い日なので闇己が居合の練習をしているのを偶然見てしまい、その美しさ、神々しさにこの人は「別格」だと闇己のことをあらためてロックオンしたのです。
☆闇己くんのカッコ良さを思い知ったか!ってとこですね~(#^^#)
人間の格付け
けれどいつも闇己のそばにいる七地のことは邪魔だけど「別格」と一緒にいるならどういうレベルだろうと興味を持ちました。
そして聞きたいことがあると言って七地を誘い出したのです。
喫茶店で話しをしているうちに筑陽はごく普通の感覚の持ち主である七地を「下種」と評価して、「別格」の闇己と一緒にいさせてはダメだと考えました。
彼の中では人間は3種類に分別されていました。
- 「神に愛される人間」
- 「その格までは至ってないものの資格は持っている人間」
- 「その存在すら神に届かない人間」
ちなみに闇己はそのさらに格上の「別格」で、七地はずっと格下の「下種」という判断をしたのです。
ということで、筑陽は七地を排除するために「虐めに会っているので一緒に来てほしい」とウソを言って廃ビルへ連れ込んで閉じこめてしまいました。
でも明日になったら出してやるつもりのただの脅しだったので、それが大事になるとは思ってもいなかったのでした。
☆筑陽も一種の洗脳された人間なんでしょうか?
いや~たぶん自分勝手なだけですよね。
こんなことをしたらどうなるかって思い至ることができないとこがちょっと怖いです。
筑陽は間違いなく下種の部類ですな!
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まとめ
今回は「八雲立つ」文庫版5巻を紹介でした。
いよいよ神剣が集まってきました!
熊野の紀斐神社でどういう展開が待っているのでしょうか!
ではでは(^0^)/
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