「八雲立つ」文庫版10巻最終巻 ネタバレ感想・闇己と眞前の最後の決着

     

2019-12-01_171625引用元https://www.amazon.co.jp/

お元気ですか?うめきちです(^o^)/

現在メロディで連載中の樹なつみ先生の新連載「八雲立つ 灼(あらた)」メッチャ面白いですね~!

本編の「八雲立つ」は、1992年から10年間に渡って白泉社の月刊少女漫画雑誌『LaLa』で連載した傑作です。

コミックス、文庫、アニメにもなり、そして今回の新連載にあたり、愛蔵版も出版されています。

「八雲立つ 灼」の前に前作「八雲立つ」をもう一度読んでおくともっと良くわかること請け合いです!

そこで今回は「八雲立つ」文庫版10巻最終巻を紹介したいと思います。

「八雲立つ」文庫版10巻最終巻

  • あらすじと感想
  • この続きは?
  • 「八雲立つ」を無料で試し読みする方法
  • まとめ

(※なお、ネタバレを含みますので、結末を知りたくない方はご注意くださいね!)

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「八雲立つ」文庫版10巻

あらすじと感想

天と修羅(4)

義縁者披露で布椎家の親戚縁者に紹介されて緊張のあまりすっかり疲れてしまった七地ですが、闇己との関係が前のように戻ったことを修たちも喜んでいます。

一方、熊野の忌部家では舞い戻って来たしおりは、眞前に冷たい言葉を投げかけられ戸惑っています。

その頃、両親に本殿に連れて来られた剡弐は神職しか入れないと言われていた本殿の中に祀られていたモノを見せられて驚愕します。

それは120年前の暗闇祭で村人から選ばれて「神主」となった犠牲(にえ)の不浄の血による結界に守られた「神剣・草薙(くさなぎ)」でした。

母・隆子に言われるがままにその結界に入って草薙を手にした剡弐。

彼には霊的不感症というあらゆる霊的なものに感応しないという特殊能力があり、生きた結界として暗示をかけられて草薙をかかえたまま心を閉じられてしまったのです。

隆子は草薙に闇己の魂を取りこませて鍛冶師である七地に殺させようと企んでいました。

「母親のやることじゃないな」と言いながら「隆子さん、もう臭うよ。あなたは事が終わるまでもつかな・・・」

それを見ていた眞前の意味深なセリフや、目の前で弟にかけられた恐ろしい呪術に不安を感じる怜司でした。

そして義縁者となった七地は闇己の命令でボディーガードがつけられ、眞前を裏切って楠を助けたシャラは新たに布椎家に雇われました。

しかし未紅からの電話で剡弐からの連絡が途絶えてしまったと聞いて彼女の家に行きましたが、未紅の母親が淹れてくれたお茶を飲んで眠らされ、誘拐されてしまいます。

天と修羅(5)

七地がさらわれたことを知った闇己は、和解交渉と称して堂々と忌部に乗りこむ計画を立てました。

眞前に言われたことで悩んでしまったしおりですが、窓の外に人の気配を感じて覗いてみると七地と未紅が主家に連れていかれるのを目撃し、食事を持ってきてくれた佐那女にその事を言うと、最近眞前は秘書である自分にもスケジュールを教えてくれないと言います。

主家の部屋で目を覚ました七地は、目の前の隆子の体が腐って肉が落ちるのを見て驚愕しますが、他の人は誰もそれが見えてはおらず、五十鈴が憑りついた寧子によって剡弐と同じように体が動かなくなる暗示をかけられてしまいました。

怜司は七地が「隆子が死んでいる」と言ったことや、眞前に妙なことを言われたことで疑問を持ち始めていたところへ、隆子から自分の霊能力を否定されたショックと、父・忌部親露がロハ中毒かもしれないと感じたことで不信感がつのっていくのでした。

やがて闇己がヘリで到着すると祭りは始まると祭祈の場に連れ出された七地は、微動だもせずに座る剡弐が持つ「神剣・草薙」によって自分が闇己の魂を焼く役目を負わされることを知って、

「来るな!来ちゃだめだー!!」と心の中で強く叫びますが・・・!!

古代編<甕智彦>・前編

西出雲に侵攻してきたナムチを迎えるはずだった西の首長たちは姿を見せず、ミカチヒコはスサノオの兵に捕らえられてしまいます。

その頃かなり具合が悪くなっていたミカチヒコは引きまわされる途中で倒れてしまい、そこへ女が「せめて水を」と鉢を差し出しました。

そしてこそっと耳打ちしました。

「御子は・・・東ですこやかにお育ちでございます」

女はかつて東出雲で一緒に育った比那で、ミカチヒコが西出雲に来る直前に妻にした彼女が夫の名を誰にも言わず一人で子供を産んだことを知りました。

スサノオの前に引き出されたミカチヒコはその凄まじい邪気から王が本当のスサノオではないと感じました。

それは他の首長たちもスサノオは先の戦で大ケガをした時に悪霊に取り憑かれたのではないかと言うほどの変わりようだったのです。

「マナシの帰還を待て。悪霊は奴の領域だ」

そう言いながらもミカチヒコは病状はどんどん悪化し、痛みで苦しむ中、幼い頃の夢を見ていました。


奴隷上がりだった妾妃の母親は息子の行く末を案じて比那の母でもある乳母に預けて一般民として育てられたミカチヒコは鍛冶師見習いになりました。

しかしミカチヒコの存在が気に入らない第二妾妃の息子・八十比子王子たちが嫌がらせをしてきた時に、助けてくれたのが正妃の第一皇子・ナムチだったのです。

王になるのは自分だとわかっているナムチは十も年上の八十比子たちのことなど歯牙にもかけず、ミカチヒコに「弟」と呼びかけ、「明日、ここへ来い兄上どもに殺されないように剣を教えてやる」と言ってくれました。

それがミカチヒコの英雄である東出雲王・意宇の国のナムチ・大将軍「大國主」だったのです!


そのナムチが、今、目の前にスサノオ率いる人でない軍勢を目にし、彼の後ろに現れた恐ろしい出雲の山の神「鉄大神(アラガネノオオカミ)=八俣の大蛇」に「生太刀」を突き刺し、退けることができました。

古代編<甕智彦>・後編

ようやくミカチヒコの元へ戻ってきたマナシは、留守にした2ヶ月間で見る影もなく痩せ細ってしまったミカチヒコを見て驚きますが、彼の口から妻と子の存在を、さらに自分はもう永くないだろうとも聞かされショックを受けます。

そこへどからともなくスサノオが現れましたが、マナシは「こいつは死霊だ」と偽物であることを見破りました。

すると偽スサノオは「我は神門郷の首長の王子・月読。お前たちが知っているスサノオの双子の兄だ!」と名乗ったのです。

双子は不吉だと忌み嫌われて山奥に幽閉された月読は、その凄まじい恨みの念から神門の山奥に「場」を作り出し、自分が死んでしまったことにも気づかずに悪霊となり果て弟・スサノオを取り殺して王に成代わっていました。

ところがナムチによって山奥のあばら家で朽ち果てた亡骸となった自分の姿を思い出してしまった月読は、かえって本性を自覚することとなり、西出雲に侵攻してきたナムチの軍勢に襲いかかる八俣の大蛇となって再び現れたのです。

出雲は自分のものだと主張する化け物に幻影に惑わされてしまったナムチは、間一髪のところで妻である女神(須勢理姫)を降ろしたマナシに助けられ、八俣の大蛇を退治することができました。

けれど神門の山には月読の念によって作られた”凄まじい場”が残されてしまったのです。

これを昇華させるために再び神剣を打つと言うミカチヒコに「今度はお前の神の形を打ってみよ」とマナシは言います。

そうして生まれたのが「神剣・天叢雲(あめのむらくも)」と魂を2分した双子剣の「神剣・草薙(くさなぎ)」だったのです。

天叢雲の方を受け取ったマナシは、「万が一失敗した時にはその草薙と共に私の魂を焼いてくれ」と言い残して旅立とうとします。

しかし彼が出て行った直後、ミカチヒコは血を吐き倒れていまうのでした。

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八雲立つ ー交錯ー

比那の叫び声を聞いたマナシがすぐに戻ってきますが、その時にはもうミカチヒコは・・・!

悲しみにくれるマナシはその場で初めて神に強く強く「この魂を戻してくれ」と祈りました。

すると神剣が鳴り、神の声がマナシの頭に響き、

『おまえのより生まれ出づる者共の人としての命を差し出せ』と言います。

「ない物は差し上げられぬ!!私より生まれ出づる者などない!この身一つしかない!!」

そう叫ぶマナシに神は、『それほどの代償を払っても、その男の命は三か月ほどしかもたぬ』と告げ、『天叢雲を掲げよ』という神の言葉に天を仰いだマナシに見えたのは、自分にそっくりの青年(闇己)でした。

闇己が手を伸ばしてマナシの持つ神剣を受け取ると、ミカチヒコは息を吹き返したのです。

一方、隆子の仕掛けた結界に足を踏み入れた闇己は、その瞬間、七地が持たされていた草薙に魂を吸い取られてしまい、その場に頽れてしまいます。

隆子は七地に「さあ早く!その神剣を一つ火に投じて!焼き滅ぼすのよ」と言いますが、七地は「そんな事は絶対に嫌だ!!」と叫び、金縛りを解いてしまったのです!

七地の暗示が解けたと同時に寧子の魂も力を増して、体に入りこんでいた五十鈴はその反動ではじき飛ばされてそばにいた隆子の体(五十鈴の体)に入ってしまいました。

死んでいる体に死霊(隆子)と生霊(五十鈴)の二つの魂が宿ってしまった体が持つはずもなく、みるみるうちに崩れだした”五十鈴の死体”は山の方へと歩き去って行きます。

次の瞬間、草薙から解放された闇己の魂は自分の身体に戻ると、正気に戻った寧子の頬を叩いて怒鳴りました。

「いいかげんにしろ!! わからないのか!おまえみたいなバカ女!他人なら切って終りだ!!肉親だから・・・だからこそ見捨てられないんだろ!!」

その後すぐに闇己と七地は五十鈴の後を追い、残った脩たちのところへ戻ってきたしおりから佐那女が眞前を追いかけて山に入ったことを知らさせるのでした。

腐った体に入ってしまった五十鈴は苦しさのあまり助けを求め、山の中で待っていた眞前は彼女に「おまえの場所を教えてやろう」と、山の奥深くにある”次元の穴”を指しました。

五十鈴を追う闇己と七地も、彼女の目指す先が”次元の穴”であることに気づき、もしかしたら出雲と熊野はあの”穴”で繋がっているかもしれないという結論に至りました。

そしてもしも死霊と生霊が宿る不浄中の不浄の死体が”維鉄谷”の結界に入りこむことになったら、その時は結界が切れて1700年分の念が溢れだし、世界の滅亡へとつながるのです。

八雲立つ ー死線ー

闇己は急いで嵩に電話を入れて、巫女気の強い嵩と海都波と夕香は「禁域」へ、巫女気が少なく行法に精通した世裡と安柘は「入らず山」へ行けと指示を出します!

”次元の穴”でようやく五十鈴と眞前に追いついた闇己たちに、眞前がこんなことをしてまで見たかったものが『世界の破滅の後にたった一人で荒廃した大地に立つ闇己』という恐ろしい景色だと言い、五十鈴を連れて”次元の穴”に入ってしまいました。

”次元の穴”は巫女には耐えられるはずがないという七地に、眞前はシャーマンである自分を守る結界として不浄の死体があり、闇己には光を放つ七地がいると言います。

しかし入ったらどうなるかはわからないので一人で行くという闇己に、

「そんなことをしたら無事には行けないよ。最後まで一緒に行こうよ!!」と出会った時からこうなるのはわかっていたと言う七地でした。

七地と手を取り合って中に入った闇己は、黄泉平坂の気を呼びその力で穴を閉じると、維鉄谷の結界を目指しますが、どこに向かっているのか時間の間隔も何もなく出口さえ見えない中で、闇己の中に取り込んでいた念が暴走し始めてたことから苦しみはじめました。

「自分とは戦えない・・・離れろ、神剣を嵩に・・・行け・・・っ 一人で・・・っ」

苦しさのあまり挫けそうになる闇己。

「ダメだ!諦めるな!!おれ・・・っ 死んだって放さないからなーーー!!」

七地がそう叫んだ瞬間、光の本流に包まれ、七地の手の中から闇己が消えました!

闇己は真っ白な靄に包まれた世界を歩いていくと、向こうに自分そっくりのマナシを見つけ、『取れ!』と命じられるままに天叢雲を受け取ったのです。

次の瞬間、七地の腕の中に戻った闇己が持つ「天叢雲」と七地が持っていた「草薙」が一つになって「神剣・天叢雲」となり、闇己はさっき見た自分と同じ顔をした人が布椎家の先祖だと直感しました。

そしてついに二人の前には穴の出口が現れ、外へ飛び出しました!

その頃、自分より巫女気が強い安柘を嵩たちの元に行かせて一人いらず山の”穴”を見守る世裡は、闇己たちより一足先に結界の出口にたどり着いた眞前たちを見つけ・・・!

八雲立つ ー昇華ー

世裡は持っていた懐剣で眞前を後ろから刺し、「ここで死んで・・・!これが子供たちへの・・・海潮さんへの謝罪よ!!」と叫びます!

けれど背中に突き立った懐剣を眞前が抜くと「死んでしまうわ」と言い、そんな彼女に、

「可愛い女だ・・・刺したのは殺してでもどこへも行かせたくなったんだろ?そうだと言ってくれ」

そうキスしながら囁き、当身をくらわせてその場にそっと横たえるのでした。

一方、禁域で待ち構えていた嵩たちは、前に現れた不浄の死体を昇華しようと祝詞を唱えた瞬間、眞前の襲撃を喰らって昇華に失敗します。

眞前は嵩の神剣を取り上げると次々と夕香たちが構えていた神剣を叩き折り、結界に入ろうとする死体を安柘たちが押さえようとするとその首をはねて結界の中へと飛ばしました。

結界が切れて砂鉄大神が現れた時、「これが見たかった・・・」そう言うと眞前は「またいつか会おう・・」と言い残して念の渦の中へと仰向けに倒れ込んで呑みこまれていったのです。

「もうどうにもならない・・・」

嵩がそういう傍らで闇己は「いや 策はある。俺を信じろ!」と言って、七地以外のメンバー達を後ろに下がらせました。

「あんたと初めて会った維鉄谷の夜と同じフリダシに戻ったな」

そしてあの時頼んだことをもう一度頼みたいと言いました。

つまり「維鉄谷の念を自分の中に取り込んだ瞬間、神剣で身体を貫いて俺ごと昇華させてくれ!」ということです。

そんなことを七地が承知しないのはわかっていますが、「お願いだ。どうか俺を邪神(まがつかみ)にしないでくれ」と言って巨大な念の中に身を投じる闇己でした。

八雲立つ ー邂逅ー

チャンスは一度きり!憑かれたその時ただ一度!

「俺にしかできないなら・・・!」

七地は渾身の力を込めて闇己の願いを叶えに走ります!

自分を貫いた剣ごと七地を抱きしめた闇己は「これで・・・いい」と天を仰ぐと、突然空から『闇己 受け取れ!』と声が聞こえ、次の瞬間、強い光と轟音に包まれ、闇己と”念”は昇華されて消えてしまいました。

七地はそれから『自分が闇己を殺してしまった』という罪の意識に苛まれ、教師として社会復帰するまでに7年の歳月がかかり、その間に嵩と夕香は結婚して晃己という5才になる息子が生まれていましたが・・・。

今は亡き闇己に生きうつしな晃己は今だに言葉が出ず、感情に乏しくて人にあまり反応しない子供だったので、嵩と夕香は心配しましたが医者はどこも悪くないと言うのです。

今回、闇己の七回忌をやろうという案が持ちあがり、これを機に一度出雲に行ってこようと計画した嵩、夕香、晃己、七地、安柘、海都波、しおり。

七年ぶりに訪れた禁域は念に山を喰われてしまったこともあってメチャメチャ見晴らしのいい展望台状態になっています。

その景色を見ながらみんなの胸に去来するそれぞれの思いを語り合ううちに七地もいつか自分を許せる日が来るのだろうか思うのでした。

と、その時、空に何か光るものを見つけた晃己は不思議な声を聞きました。

「取ったか 取ったな 巫よ この魂を」

その声に導かれるように走り寄って手を伸ばして光に触れた瞬間バシーンとはじき飛ばされた晃己が、その手をもう一度日の光にかざし、体を触り、突然声を出して笑いだしたのです!

みんながあっけにとられている中で、

「これは 何の冗談だ」と喋ったのです!

さらに七地を振り返って「なんだ あんた全然変わってないな」と言いました。

晃己は闇己が生まれ変わった姿だったのです!!

1700年の時をまたいだ壮大過ぎるサイキックストーリーの完結編・・・終わってしまいましたね~。

感無量です・・・。

ラストシーンで闇己が晃己として生まれ変わってきたことで七地の罪の意識も癒されましたし・・・。

ところで布椎家の先祖がマナシということがわかりましたが、人と接するのが苦手な彼の妻になったのはもしかしたら比那ではないかと思うのですがどうでしょうか?

そうしたら闇己と七地は義縁者じゃなくて正真正銘親戚ですね!

なんか歴史の奇跡とロマンを感じます!

ところで今物語には続きがあるんですよ↓

この続きは?

この続きはコミックス「八雲立つ 灼」1巻で読むことができます。

✒詳しい内容はこちらから↓

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この先はどうなるのかとドキドキが止まりませんが、文章で読むより画があるほうが格段に面白いのは請け合いです!

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まとめ

今回は「八雲立つ」文庫版10巻の紹介でした。

何回読み返してもいいマンガです!

ではでは(^0^)/

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