「八雲立つ」文庫版1巻 ネタバレ感想・念を切り裂く稀代のシャ-マン

     

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お元気ですか?うめきちです(^o^)/

現在メロディで連載中の樹なつみ先生の「八雲立つ 灼(あらた)」、面白いですね~!

でもその前作「八雲立つ」は、1992年から10年間に渡って白泉社の月刊少女漫画雑誌『LaLa』で連載し、コミックス、文庫、アニメにもなり、一世を風靡した作品です。

そして今回の新連載にあたり、「八雲立つ」の愛蔵版も出版されましたね。

まずはこちらを読まない手はありません!!!!

私は文庫版を持っていて、久しぶりに読み返してみました。

そこで今回は「八雲立つ」文庫版1巻を紹介したいと思います。

「八雲立つ」文庫版1巻

  • あらすじと感想
  1. 八雲立つ
  2. 鬼哭の辻
  3. 若宮祭(1)
  • 「八雲立つ 灼(あらた)」1巻発売日は?
  • まとめ

(※なお、ネタバレを含みますので、結末を知りたくない方はご注意くださいね!)

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「八雲立つ」文庫版1巻

あらすじと感想

八雲立つ

七地と闇己の出会い

七地健生(ななちたけお・大学生/21歳)は、出雲に取材旅行をする劇団主催者の北野、看板女優の戸田千夏、マネージャーの重松波留子、大学の先輩・江馬らと同行して江馬、島根に来ていました。

七地はその旅行のついでに、亡き祖父の遺品である1本の飾り刀を奉納するという別件もあったのです。

目的地である維鈇谷村(いふやむら)の布椎家はとんでもなく山奥にあり、今回取材するのは道返神社(ちがえしじんじゃ)で49年に1度行われる秘祭・神和祭(かんなぎさい)でした。

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そこで奉納舞を舞う人間離れした美しさの巫女の後ろに、人の形をした揺らめくものを見た七地は不気味なものを感じていました。

ところが布椎家で紹介されたその美しき巫女は居合の達人でもあり、この家の跡取り息子でもある布椎闇己(ふづちくらき/16歳)だったのです。

そして闇己はとんでなく愛想の悪い性格でもありました。

しかも人の思念や怨念から発生した”念”を昇華させることが出来る力のあるシャーマンでした。

けれどその一方で”念”を寄せ付けて遊ぶ、”負のシャーマン”でもあったのです。

そしてどういうわけか無愛想な闇己がなぜか七地にだけは妙に懐き、姉の寧子(やすこ)さえも彼を気に入ったようでした。

ところで維鈇谷の布椎家には神代の昔から7本の神剣がありましたが、第二次大戦中に何者かに盗まれて今は1本しかなく、残りの6本を密かに探していました。

神和祭

取材を終えた七地たちは今夜の最終便で東京に帰ることにしましたが、運悪くタイヤがパンクしてしてしまったので車の中に千夏と波留子を残して歩いて助けを呼びに行くことに。

けれど北野は真夜中に行われる神事に興味深々で、誰も見てはいけないと言われていたのにもかかわらず、後をつけて行って覗こうと言い出したのです。

仕方なく江馬に車に戻ってもらい、七地は北野について行ったのですが、そこで恐ろしい出来事を目撃したのです。

神事の内容とは、跡取り息子が神剣「迦具土(かぐつち)」で当主である父親の首を刎ねて宗主の後を受け継ぐという驚愕の事実でした。

しかし闇己は父・布椎海潮(ふづちうしお)の首を刎ねるのを嫌がったので、寧子がやると言って神剣を手にしました。

けれど震える寧子の手を見つめる闇己は葛藤の末、寧子から神剣を奪うと一刀のもとに首を刎ねたのです。

その現場を見た北野が声が驚いて出したので、覗いていたことがバレて神事を穢したとして追われることになってしまいました。

その頃、車では千夏と波留子が北野を巡ってケンカして、波留子が千夏を切りつけてどこかへ行ってしまいました。

父を殺して錯乱状態の闇己は必死で逃げまわる七地を、社でついに追い詰めて剣を振りかざしたその瞬間、『己の心の邪に勝てよ!』という父の遺言が頭の中に響いたのです!

正気に返った闇己は自分の罪に震えて泣き叫び、七地は彼の肩を抱き「君は悪くない」と言うしかありませんでした。

維鈇谷に渦巻く念

同じ頃、さっき祭壇の前で波留子と出会った北野は、今までさんざん尽くしてきた波留子の気持ちを拒否したので刺されてしまいました。

そしてその血が祭壇を穢して、溢れだした念に二人は食われてしまったのです。

闇己は維鈇谷にうごめく巨大な念を見て、『八雲立つ・・・』の歌に込められた裏側の意味を悟ることになりました。

闇己は念の暴走を抑えるために自分に取りこむから心臓を”迦具土”で突けと言ったその時、”迦具土”が共鳴しました。

”迦具土”が七地の持ってきた飾り刀に共鳴すると、古い鞘がビシビシと崩れて下からもう一つの鞘が出て来て”神剣・水虵(みずち)”が現れたのです。

七地に”迦具土”を持たせ、自らは”水虵”を振るって神をより憑かせ、念を押さえこむことに成功したのでした。

七地は気を失って眠っていた時に、闇己にそっくりなシャーマンと鍛冶師の夢を見ていました。

鬼哭の辻

老舗料亭『尼辻』

七地は急に父親の代わりに、遠縁の京都の老舗料亭『尼辻』の跡取りのお披露目会という親戚の集まりに出席することになってしまいました。

京都駅に着くと『尼辻』の後を継ぐことになった後藤徳彦が迎えが来ていて、写真を見たからすぐにわかったと言われて「おれの写真なんかあったのか?」と怪訝に思う七地でした。

しかしその意味はすぐにわかりました。

20年前、由緒ある料亭『尼辻』の跡取り娘・小夜子と結婚して失踪した叔父の邦生に七地はそっくりだったのです。

さらに『尼辻』では叔父のせいでなのか、七地はあまり歓迎されていないようでした。

七地は「この竹林を過ぎたらもうじき尼辻着く」というところまで来た時、バックミラーに映る黄色い着物姿の美人を見て「おお京都らしい!」と喜びましたが、振り返ると誰もいないという奇妙な体験をしました。

闇己との再会

『尼辻』の親戚たちの集まりにはまだ時間があったので、徳彦に誘われて近くの寺の奉納試合をを見物に行った七地はそこで偶然 試合に参加していた闇己と再会したのです。

闇己は七地が京都で恐ろしい目に会う祝寝(予知夢)を見たと脅かします。

びくびくする七地に、闇己はさらに言いました。

「あんたは神剣が集まってくる『道標』だからいなくなると困る。しょーがないから守ってやるよ」

その後そんなことは全く知らない徳彦の誘いで、闇己も七地と共に『尼辻』に泊まることになったのです。

血天井

『尼辻』の女将はしきたりに従って、今夜は身内しか母屋に泊まれないというので闇己は離れに泊まることになりましたが、先に案内された七地の部屋で異変がありました。

霊感なんかないと主張する七地が、なんだか嫌な気分になってその部屋に入れないのです。

そこで闇己が持っていた刀で床をドンと突くと、一瞬静電気が走ったようになって嫌な気配は消え去りました。

そこに居合わせた徳彦が面白がって、もっといいものがあると言って裏の土蔵にしまわれていた400年前の血天井の一部を見せてくれたのです。

その天井板は七地が泊まる部屋の天井にかつて張られていたモノだと知った時、七地は怯えましたが闇己は何も感じないと言いました。

それよりもむしろもっと新しい霊がいて、恨めしさに泣いていると闇己は言い、それを『鬼哭(きこく)』と言うのだそうです。

「今度ああいうのが見えたら俺を呼べ。仕方ないから助けてやるよ」

そう言って闇己が指さした先には黄色い着物を着た女がいたのです。

『会いたい人は絶対に会いに来てくれない・・・』

離れの部屋に入った闇己は父親のことを思い出すといつも胸が苦しくて冷や汗が止まらなくなります。

それはあの儀式によるPTSDでした。

黄色い着物

徳彦とその婚約者・律子のお披露目会の最後に、女将は代々の女将が身につけるという着物を披露しました。

それは例の黄色い着物と全く同じもので、七地はこれで3回も見たことになりました。

『黄色い着物を着た長い髪のすらっとした女・・・それはまさか・・・』

その後、祝酒の飲み過ぎでか体調を崩した七地は自分に当てられた部屋で横になっていました。

気がつくと辺りは暗くなっていて、体は金縛りになり、天井は血の手方が一面に広がりそこからボタボタと血が降ってきて天井の一角から女が覗いています!

異変

部屋の外では徳彦と女将が襖をガタガタやっています。

「戸が開かない。たてつけが悪いはずないのにどうなってんだ?」

そこへ異変を察知した闇己が駆けつけて来て一刀両断、闇を切り裂いて助けてくれました。

そして持ってきた刀に神をより憑かせて憑依し、念を切って昇華させたのです。

邦生と小夜子

それを見ていた女将は狂ったように泣き叫び、あの晩起こった悲劇を告白しました。

あの頃、異常に嫉妬深かった小夜子に辟易した邦生は、離婚したいと女将に相談していましたが・・・。

小夜子は邦生が浮気していると思いこんでいて、他の女に取られるくらいならと彼を刺殺して自分も首を吊ったのです。

女将と大番頭の善造はその凄惨な現場を見て、これが世間に知られたら『尼辻』は終わりだと、二人の遺体を庭の桜の樹の下に埋めました。

事件のあった部屋は、今日七地が泊まっていた部屋のすぐ上の部屋でした。

20年間邦生を探し続けていた小夜子は、そっくりの七地を邦生と間違えて連れて行こうとしたのです。

やがて警察が入り、『尼辻』の罪は白日の元に晒されることになりました。

女将の『尼辻』への執着のハンパなさに恐れを抱きながら、

「罪は罪だ。裁かれなきゃいけないよ・・・」

そうつぶやく徳彦でした。

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若宮祭(1)

七地は闇己が東京に出てくることになったと喜んでいましたが、よりによってその当、日江馬に頼まれてバイトにいくはめになりました。

七地の妹の夕香は、何人ものスカウトマンから声をかけられるほど可愛い顔のわりにとっても生意気な高1の16歳でした。

兄の七地がバイトに出かけた後つまらないので外でタバコを吸っていると、向こうからイケメンが歩いてきたのでつい見惚れているといきなり言われたのです。

「あんた七地の妹だろ」

それですぐに彼が今日上京してくる布椎闇己だとわかったのですが、彼の態度は夕香にとって許しがたいものでした。

闇己が行こうとしていた方角と、夕香が行こうと思っていた場所への道は偶然同じ道を通るようでした。

なので闇己の後をついて行く形になった夕香ですが、この道の先の「若宮小路」は怖くて通れない場所なのです。

(※非業の死を遂げた霊魂を「若宮」と呼ぶそうです)

「この道が怖いのか。やっぱり七地の妹だな」

「ここには非業の死を遂げた者の念がいる、あんたはここには近づくな」

と闇己は言いました。

が、時すでに遅く、夕香を入れ物の形と見なした念が襲ってきました。

けれど次の瞬間に消え去ったのです。

闇己が昇華したのですが、東京にはこの程度の念はゴロゴロいるとつぶやいていました。

その後、闇己は道に迷うことなく叔父・布椎稚国(ふつちわかくに)の家に着き、東京に住む一族と挨拶を交わしたのです。

けれど叔父の息子で従妹にあたる同い年の布椎蒿(ふづち こう)は不在で、『あの天然ボケナス』と心の中で毒づいていました。

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☆怒濤のシャーマニックストーリー「八雲立つ」の始まりです。

何度読んでも面白すぎます!

とても20年以上前のマンガとは思えませんね~。

今読んでもスケールの大きさにワクワク感ハンパなく、一気に全巻読破したい焦燥にかられてしまいました!

しかしいかんせん相手は文庫なら10冊だけど、コミックスだと19冊という大物です。

時間のある時にじっくりいきたいマンガですから、皆さん頑張って読んでくださいね。

是非読んでほしい物語です!

天然ポジティブな七地と、天邪鬼なことばかり言いながらも七地に懐きまくる闇己がカワイイくてたまりませんよ~(#^^#)



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「八雲立つ 灼(あらた)」1巻発売日は?

「八雲立つ 灼(あらた)」1巻は2018年8月28日に発売されました。

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➜「八雲立つ灼」1巻ネタバレ感想 布椎晃己に転生した闇己

まとめ

「八雲立つ」文庫版1巻の紹介でした。

ではでは(^0^)/

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