お元気ですか?うめきちです(^o^)/
端麗な絵柄で知られる波津彬子先生の紡ぐ英国ゴシックホラー「お嬢様のお気に入り」1巻(原案・門賀美央子氏)が2018年10月10日にフラワーコミックススペシャルから発売されました。
10年ぶりの英国ものということで、とても楽しみにしていました(#^^#)
やんちゃ盛りのブルジョワお嬢様のキャロラインが一番好きなのはロマンチックで怪し気な怪談話、それを聞かせてくれるのは厳格な執事のロバート。
キャロラインのロマンを求めて繰り返す、小さな冒険に翻弄される執事見習いのマイケル。
今日もお嬢様のロマンチックは止まりません!
今回の記事は
- 「お嬢様のお気に入り」1巻のあらすじ感想
- 「お嬢様のお気に入り」2巻の発売日予想
- まとめ
以上の紹介をしたいと思います。
(※なお、ネタバレを含みますので、結末を知りたくない方はご注意くださいね!)
「お嬢様のお気に入り」1巻のあらすじ感想
あらすじ
第1話 お嬢様のお気に入り
アーミテージ家の夢見がちな末娘・キャロラインはロマンチックで怖い物語が大好きでした。
一番好きなのは『オトラント城綺譚』、古城に起きる怪異の数々、古いお告げや傍若無人な城主、運命に翻弄される美しい姫君たち・・・考えただけでうっとりしてしまそうなすばらしい物語です。
そんなある日、アーミテージ家の庭でシェイクスピアを上演するチャリティーイベントが開かれることになりました。
演目は『真夏の世の夢』、ティターニアを演じるのは今一番話題の女優ローラ・マックガードです。
まだ子供のキャロラインは見せてはもらえなので何とかして見たいと思い、こっそりとベランダづたいにローラの部屋を覗きに行きました。
カーテンの隙間から見えるティターニアの衣装を着たローラは噂どおりの美しさです。
うっとりと見つめていたキャロラインはすぐに見つかってしまい、叱られて部屋に閉じ込められてしまいました。
ベッドに入っても、窓の外から聞こえる劇の声が気になって眠れないキャロラインの所へやって来たのは執事のロバートでした。
ロバートはキャロラインが眠れない夜は、いつでも眠るまで枕もとで様々なお話をしてくれます。
今夜もいつものように不思議なお話をしてくれました。
今夜は、美人で気立てのいい令嬢の一つだけある悪い癖のお話でした。
それは覗き見と盗み聞きで、とにかくどこでも覗いて歩いていました。
ある日、家族と旅行にやって来た彼女は、カフェで話をしている夫婦を植え込みの間から覗いていました。
すると「破産・・」「離婚・・」などという深刻そうな言葉が聞こえてきたのです。
けれどその時、夫人の方と目が合ったような気がして慌てて逃げ出したのでした。
その後、彼女は泊まっていたホテルの中を探検するという楽しい思いつきをしました。
そしてあちこちの部屋を覗き回っているうちにとんでもないものを見つけてしま
さっきカフェで深刻な話をしていた夫人が首を吊っていました。
しかも何故かクルリと振り返った夫人と目が合ってしまったのでした。
気を失っているところを助けられた彼女は、今度は隙間と言う隙間から自分を覗いている夫人の目が見えるようになり、ノイローゼのようになってしまったのです。
そしてある晩、彼女が寝ようとベッドの掛け布団をあげると、そこには・・・
ロバートの怖いお話を聞き、これからは決して覗き見はしないと約束するキャロラインでした。
それからしばらく経ったある日、この間のチャリティーイベントの記事が新聞に載っていましたがそこに描かれていたローラ・マックガードはあの晩キャロラインが見たローラとは全く別人のようです。
キャロラインが見た、中世風の白いドレスを着てプラチナブロンドの髪に白い薔薇を挿していた貴婦人の話をロバートにすると、彼は何か心に引っかかるものを感じているようでした。
第2話 隠された扉
ある日キャロラインは憧れのストロベリー・ヒル・ハウスに招待されました。
ここは大好きな『オトラント城綺譚』を書いたウォルポールが住んでいた家なのです。
両親と共にストロベリー・ヒル・ハウスにやって来たキャロラインは、執事見習いのマイケルをお供に連れて邸内の見学をすることになりました。
嬉しくてたまらないキャロラインはどこを見ても感激でテンション上がりまくりでした。
マイケルの止める声も聞かずにどんどん奥へ行ってしまい、ある部屋で調度品を壊してしまったのでした。
とんでもない粗相をした原因は普段読んでいる怪しい本のせいだと、お父様は家庭教師のクレーブ先生に命じて教科書以外の本をすべて捨ててしまいました。
夜になっても悲しくてベッドにも入れないキャロラインの所にやって来たロバートは、今夜はある医師一家のお話をしてくれました。
古い邸宅を買い取って越ししてきた一家は、越してきて1週間もしないうちにメイドが辞めたいと言いだすなどなんとなく違和感を感じていました。
近所の人によれば、この家は幽霊が出るという噂があるようです。
そんなある日、娘のエミリーはメイドの部屋へ通じる階段の途中に鍵穴のある羽目板を発見しました。
そして両親が出かけているスキに鍵束を持ちだしてその羽目板を開けてしまったのです。
扉を開けたエミリーに突然、骸骨が抱きついてきました。
警察の調査でもその骸骨は50年以上前のものと言うこと以外はわかりませんでした。
でもそれ以降メイドが怖い思いをすることはなくなりましたが、エミリーはショック状態が何か月も続いたのです。
なぜなら彼女の腕には骸骨につかまれた指の跡が残り、長い間消えなかったからです。
キャロラインの探求心を諌めるためのロバートのお話でしたが、
『エミリーが館を探検しなけらば見つけてもらえなかった骸骨がかわいそうだわ』
キャロラインはそう思いながら眠りました。
翌朝、クレーブ先生の授業の時に先生が新しい教科書を渡してきました。
それは昔話や妖精の物語が書かれている古い本でした。
教科書の代わりと言っていますが、本を捨てられてしまったキャロラインへのクレーブ先生の心使いだったのです。
感激したキャロラインはしっかり勉強したので捨てられたと思っていた本を返してもらえた上に、新しい本まで買ってもらえたのでした。
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第3話 別れた道
キャロラインは同じ年頃のマイケルがお気に入りでした。
いつもマイケルに自分の相手をさせていましたが、執事見習いのマイケルにとってそれは少々迷惑なことでした。
その日もマイケルに絵のモデルを頼もうと探していると、彼は今日は使いに出ているとロバートが言いました。
さらに、
「マイケルは執事見習いの仕事があり、お嬢様の絵のモデルが仕事なわけではないので彼を特別扱いするのはおやめください」
と厳しい言い方をされてしまったのです。
さすがに我がままだったと反省しながらも恥ずかしくて眠れないでいたキャロラインの所に、温かいミルクを持って来てくれたロバートは今夜もお話をしてくれました。
それは100年ほども昔のお話でした。
イーストボーンの領主の館にひとりの青年が訪ねてきました。
イーニアス・ベケットと名乗るその青年は、この館で母親が昔メイドをしていて自分はその時にできた子供だと言いました。
そしてその証拠にここの紋章入りのメダリオンを差し出したのです。
昨年、妻と息子を流行り病で亡くした領主には他に子供がいませんでしたから、青年は跡継ぎということになります。
降ってわいた幸運に喜んだ青年はその夜は館に泊まることになりました。
彼が案内された部屋にはたくさんの肖像画がかかっていました。
ところが実は彼はイーニアス・ベケットではなく、イアン・マカロックと言う名前でした。
イアンは旅の途中で偶然出会ったイーニアスと一緒に旅をしていましたが、ある時イーニアスが急に病気になって死んでしまったのです。
そして領主の息子の証拠のメダリオンを父親に届けて欲しいと、いまわのきわに頼まれたことから入れ替わることを思いついたのでした。
その夜イアンが寝ているとどこからか声が聞こえてきました。
『そなたは真に我が子孫か』
壁にかかっている肖像画が口々にそう言っているように聞こえるのです。
そして肖像画の中から老人がひとり現れて、イアンの額に触れて言ったのです。
「おまえは騙りものだな」
次の朝、彼はベッドの上で冷たくなっていました。
この部屋はほんものの跡継ぎかどうか先祖の霊が検証するための部屋だったのです。
このお話しはキャロラインがマイケルと遊びたいために、嘘をついたり誤魔化したりしてはいけないというロバートの戒めが込めらている恐ろしい物語でした。
次の日、キャロラインは昨日サボった分の勉強をがんばりました。
第4話 見習いくん、初めての試練
マイケルが伯父のロバートを頼って執事見習いとしてこの屋敷にきたころのお話しです。
マイケルのキャロラインへの第一印象は、近所の女の子たちとは全く違ってとても輝いて見えました。
でも不思議なことや怖いお話が大好きなキャロラインに毎日のように怪談を聞かされて、マイケルは自分の見解は錯覚だったと気がついたのでした。
ある日キャロラインがメイドのまーさから『妖精が見える秘薬』の作り方を聞いてきました。
夏至の真夜中に摘んだタイムを水に浸して月明かりの下に一晩置き、その水をまぶたにつけると妖精が見えると言うのです。
かくてマイケルは真夜中に狩猟小屋までタイムを摘みに行くことになったのです。
屋敷から離れた所にある狩猟小屋は不気味で怖くて、急いで摘んでしまおうとしていたマイケルが物音に気づいて狩猟小屋の方を見ると、狩猟小屋から人影が出てきたのです。
驚いて逃げ出すと人影は追いかけて来きました。
やっとのことで屋敷にたどり着いたマイケルの後ろに追いかけてきた男を見たロバートは、使用人たちにそいつを追いかけさせました。
その男は以前に屋敷で働いていた男で、今は浮浪者となって狩猟小屋で寝泊まりしていたようです。
翌朝、キャロラインが目を覚ますと部屋の外に置かれていたタイムを見つけて喜ぶキャロラインにマーサが言いました。
「妖精の見えるおまじないのハーブはタイムじゃなくてヤローでした」
第5話 怪談語りの夜
クリスマスイブにはアーミテージ家の家族全員が揃う習わしがありました。
キャロラインの姉のアンは父親の反対を押し切って従軍看護婦として働いています。
長男のトーマスjrは父親の仕事を手伝って世界中を飛び回っています。
次男のカールはイタリアで絵の勉強をしているのです。
クリスマスイブの今日は家族全員が揃い、お父様は上機嫌です。
今夜はせっかくのクリスマスイブだからみんなで怪談をひとつずつ話しましょうとキャロラインが提案しました。
★クリスマスイブに怪談を話す習わしがある地方もあるそうです。
怪談話の皮きりはロバートの体験談で、彼がまだマイケルくらいの年頃の出来事でした。
真夜中過ぎにやっと作業を終わらせることができたロバートは、離れにある自室に戻る途中でふとバラの香りに気がつきました。
そしてそれから白い人影を見るようになったのです。
やがて20歳になったロバートがクリスマス用の柊を取るために庭にいた時に、またバラの香りと寒気を感じて気がつくと、とても美しい貴婦人がいたのです。
はっきり姿を見たこの時を最後にもう二度とあの気配を感じる事はありませんでした。
★この婦人の幽霊が、もしかしたらキャロラインが覗き見した時に見た女性(幽霊)だったかもしれませんね。
次はカールの番です。
彼の話はイタリアのサンタンジェロ橋に現れるベアトリーチェ・チェンチの幽霊の話でした。
カールは彼女の幽霊を見たいとうっとりと語りました。
そして次の怪談は姉のアンが語りました。
彼女がアフガンの野戦病院にいた時に、物資が足らなくて毛布やリネンなどは修繕して使っていたのです。
その日、前線から運ばれてきた若い兵士は重傷を負っていました。
アンの必死の手当てもむなしく彼は亡くなってしまったのでした。
戦死した兵士は棺などないので、せめて毛布で包んで埋葬されるのですが、彼もそうやって埋葬されたのです。
その時彼を包んだ毛布はアンが繕った毛布でした。
その晩、前線で奇襲がありたくさんの兵士が病院に運ばれて黄て毛布やシーツはすぐに足りなくなってしまいました。
「せめてシーツでも・・」
アンがふとそう言った時にスッと差し出された毛布が一枚・・・。
手渡してくれた人は誰だかわかりませんでした。
翌朝、ケガ人たちの様子を見に行ったアンは、ひとりの兵士にかけられている毛布の縫い目に見覚えがありました。
それはアンが繕った毛布で、昨日亡くなった若い兵士を包んだものだったのです。
物資が足りないのに自分を毛布で包んでくれたお礼に、毛布を返してくれたのだとアンは思ったのです。
話を聞いていたみんなは勘違いじゃないかと言って信じてくれませんでしたが、キャロライン1人だけが
「その兵隊さんはお姉様にありがとうと言いたかったのね!」
嬉しそうにそう言いながらソファで眠ってしまいました。
翌朝、キャロラインが目を覚ますと外は一面の銀世界、昨夜、雪が降ったようです。
それはとても美しい平和な景色でした。
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感想
キャロラインの無邪気さがかわいいので、怖いお話も相殺されてしまってほんわかした読後感になっていますが、ロバートの話す怪談って結構怖いですよね!
こんな話を寝る前のお伽話として聞くキャロラインのタフさがスゴイと思います。
普通こんなお話を聞いてしまったら怖くて逆に寝れませんよね(>_<)
ホラー好きのヒロインはキャロラインとして描かれているお話しですが、巻末にも書かれている通り、真のホラーオタクはロバートですよね!
どこで仕入れてくるのか、もっと聞きたくなる癖になる怖さが逆に怖いです(笑)
それと物語の間に入れられている2つのコラムにはなるほど~と思わされてしまいました。
イギリス人のお化け好きは根性は入ってるなあとつくづく感心してしまいました。
早く2巻も読みたいですね(#^^#)
「お嬢様のお気に入り」2巻の発売日予想
「お嬢様のお気に入り」2巻の発売日予想は未定です。
1巻の物語の雑誌掲載スケジュールから予想してみると、2019年6月くらいかもしれません。
また詳しい情報が入り次第更新していきたいと思います。
まとめ
今回の記事は
- 「お嬢様のお気に入り」1巻のあらすじ感想
- 「お嬢様のお気に入り」2巻の発売日予想
- まとめ
以上の紹介でした。
相変わらずの美しい絵には、思わずため息が出てしまいます。
表紙カバーも中表紙も、ラストの雪景色も切りとって額に収めたいような素晴らしさですが、私個人としてはロバートの背筋の棒が入ったような真っすぐな立ち姿が絶品だと思いました。
早く2巻でも美しい立ち姿を見たいものです!
ではでは(^0^)/
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