漫画あとかたの街の内容とネタバレ!感想と原作者の体験まとめ

     

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お元気ですか?うめきちです(^0^)

みなさんは「あとかたの街」というコミックスを読んだことはありますか?

このお話は第二次世界大戦の戦時下、名古屋市に住む木村一家とその周りの人々の日常と名古屋大空襲の物語です。

私たちは戦争のない平和な世の中に暮らしていますが、今も、世界中どこかで戦争は起きています。

戦時下には色々なことが制限されることになります。

もちろんスマホやゲームなんてあるはずもないですね。

日々激しさを増していく戦争に翻弄され、とぼしくなっていく物資をいかにやりくりしながら町の人々が暮らしていたかを想像できますか?

今回はおざわゆき作のまんが『あとかたの街』全5巻の内容と感想、原作者の体験などをまとめてみました。

(※なお、ネタバレのため結末を知りたくない方はお読みにならない方がいいかもしれませんね)

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まんが『あとかたの街』のあらすじ

詳しくはこちらもご覧ください

主人公木村あいは12歳国民学校高等科1年生、姉のみね・妹のとき・木村家の三姉妹の次女です。
戦争のせいで軍需工場に勤労奉仕に行ったりし、学校では勉強するかわりに校庭に畑を造ったりして生活そのものさえ戦争の色に染められていきます。

焼夷弾による類焼をふせぐために近くに住む知り合いの家が取り壊されることになり、住む所のなくなった同級生の洋三と洋三の伯母が木村家に同居することになりました。
あいは洋三にほのかな恋心を抱きます。洋三の方もあいが気になるようです。幼い初恋でした。

妹のときが学童疎開に行くことことになりました。
日増しに激しくなる戦争の中、ときからの手紙で彼女の様子が心配になったあいは父親と二人ですえに会いに行くとそこで見たものは!
栄養失調で痩せ細ったときを名古屋へ連れ帰ってきたあいは妹の看病を懸命にします。

そして名古屋大空襲の日、あいは燃え盛る火の中を家族や洋三たちと必死に逃げました。
しかし恐ろしい火の中を逃げる途中で焼夷弾にあたり洋三は亡くなってしまいました。

呆然とするあいの心に洋三の最後の言葉が響きました。

『逃げろ・・生きろ・・

・・・「行こう・・洋三が生きろって言ったんだから・・洋三、ごめんね、後でむかえにくるから」・・・

そう言って家族と安全な場所へと逃げのびました。

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やがて日本の敗戦により第二次世界大戦は終わりますが、失ったものはあまりにも大きく人々の心に深いキズを残しました。

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まんがの感想と作者の母上の体験が原案であること

このマンガはやさしい絵柄ゆえにかえって戦争の悲惨さや悲しさが伝わってくるような気がします。

キャラの顔がわりと簡単に描かれているように見えていて実は表情ゆたかで、逆に背景のリアルさが戦中戦後の日本の様子を教えてくれます。

「この戦争に日本は絶対に勝つ!」と信じている人たちの妄信的な言動や身勝手さに腹が立ちます。

「お国のため」と言う大義名分でどれだけの大切なものを犠牲にしてきたのかよく考えろと読者に訴えてきます。

あの時、逃げる洋三たちの上に落ちてきた焼夷弾があと20㎝、右でも左でもずれていたら・・・

何度読みかえ返してもここで手が止まってしまいます。

悲しくて涙が止まらなくて困りました。

あいも洋三の『生きろ』という言葉がなければ、ここで時間が止まってしまったかもしれません。

きっとこんな思いを胸に抱えたままの人は今も日本中にたくさんいると思います。

戦後70余年を経て、戦争体験の語り部は今はとても少なくなり、もう何人もいないかもしれまん。

このまんがは作者のおざわゆきさんの、お母様の子供時代の体験談がベースになっているのだそうですが、まんがのカタチをした語り部ですね。

だからこそこのコミックは後世に残さなくてはいけない作品の1つだと思います。

”とき”のむじゃきで幼い笑顔が戦争反対を訴えています。

学童疎開の悲惨さなど現在ではあまり耳にもしないですけど、これもひとつの「難民」と言えるのではないでしょうか。
幼い子が親元から離されて手の行き届かない集団生活の中で飢えや寒さ、病気などで命を落とすことも多数あったと筆者も祖父母から聞いたことがあります。
爆弾や銃弾にやられなくてもこれも戦死のかたちではないかと感じます。

書籍情報

『あとかたの街』1~5巻

『凍りの掌(シベリア抑留記)』

まとめ

今回は「おざわゆき作まんが『あとかたの街』」の内容と感想、原作者の体験談などをまとめてみました。

日本には戦争はなくなりましたが、世界中では今もどこかで戦争が起こっています。

そして難民もあちこちであふれています。

現在、日本は戦争容認に向かっている部分もたくさんあるようす。

この『あとかたの街』を読んで、ぜひ周りの人たちにも勧めてほしいと思います。

この本が太平洋戦争の語り部の代わりとして少しでも戦争の悲惨さを伝え、抑止力になってくれることを願います。

ちなみに、おざわゆきさんのもう一冊の本『凍りの掌(シベリア抑留記)』は、おざわさんのお父様の体験談が元だということです。

こちらも合わせて読んでいただきたい一冊です。

ではでは(^0^)/

詳しくはこちらもご覧ください

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